多感な時期に出会った美術教師の影響や、好きだった美術評論家が執筆する美術誌の連載を熟読したりと、もともと美術品が大好きだったという石井様の医院には、待合室の孫家珮先生の「旭日」をはじめ階段の踊り場や診察室など、様々な絵を飾っていただいています。選ぶ基準として、過去の名画を見る楽しみとは別に、あまり知られていない才能の原石を見つけた時の喜びを求めて探すことが多く、常に自分自身の価値観をしっかり持ちながら判断していければとも仰っています。取材中、診察に訪れた患者の方から孫家珮先生の作品を指して、「体や心に苦しみを抱えている者にとって、この水辺の風景は癒しを与えてくれます。」という言葉をいただき、我々や作家、そして石井様の願いが反映されている現場を実感することが出来たことも嬉しい瞬間でした。
才能の原石を発見する喜び