記念展の会期中、私は母校・文化女子大学の同窓会「紫友会」総会に出席し、ここでも出会いの有難さをかみしめていました。 出席した二百十数名のOGは二十代から八十代まで、ファッションを学んだだけあってお洒落な方ばかり。見ているだけでも楽しくなるような華やかさでした。年代を問わず、皆さんがイキイキとしていらっしゃって、その姿からあふれでる元気をしっかりいただいて帰ってきました。
文化女子大での三年間は、まさに出会いのレッスンでした。のちに私が画商という天職を得たのも、今にして思えば「出会いこそが人生を変える」という恩師の荻村先生の言葉どおりの展開でした。当時まだ在学中の私がある企画を立案した際には、荻村先生から大沼理事長までが応援してくださり、来日して数年の私にとって、たくさんのご縁が前進するエネルギーそのものだったように思います。荻村先生は残念ながらご欠席でしたが、数えで八十歳になる今も現役の大沼理事長や、当時修論を指導してくださった 濱田先生(理事)ともお久しぶりにお目にかかり、懐かしい時代を振り返りました。 また、弓削田先生との嬉しい再会もありました。文化を卒業後、そのまま教壇に立ってこられた先輩は、昨年定年を迎えたのを機に、中国・上海校での教師生活をスタートされたとのこと。
弓削田先生 上海で教鞭をとりながら、日本のファッション文化を中国に伝えている。
「『謝謝』と『再見』は大好きな言葉です」と締めくくられた彼女からのメールを見ながら、日本のファッション文化を中国で広める 彼女と、中国人作家の作品を日本に紹介してきた私と、二本の架け橋が交差しているようですっかりうれしくなりました。 私も、ひとつでも多くの「謝謝」と「再見」を言えるように…これからも笑顔でがんばります!
2007年2月
シルクランド画廊 顧 定珍