富士登山の経験は大きな財産になるから一緒に登ろう!スタッフをそう熱く説得し、この場を借りて「公約」。それ以降、皆が自主的にジョギングや、エレベーターを使わずに階段を昇るなどして体調を整え、 8月14・15日の本番を迎えました。ルートや防寒対策、携帯酸素などは皆で入念に準備しました。 体力に不安を感じていた私は、自宅の隅でほったらかしだった運動器具を使ってトレーニングもしました。それなのに、自分にプレッシャーをかけていたのか、当日の朝には発熱。いざ登りだしても、全員が私に合わせてくれるのでペースが遅くなっていきます。自分が逃げださないように、ギャラリー通信で「登る!」と公言した事と、「リーダーなんだから頑張らなくちゃ!」 という思いを励みにして無我夢中でした。それでも登りきれないかもしれない、と不安になりかけたとき、 スタッフが「荷物を2つ持ってみたら、全然重くなかったんですよ。顧さんの分も持ちましょうか?」と言ってくれました。 皆がいるから、登ろうと思える。一緒にいるから、支えられている。そのことを実感し、スタッフの温かな気持ちに救われました。
山小屋で1泊した翌朝、頂上に到着。 雲海をあかるく照らす日の光に迎えられて、あたり一帯から歓声が揚がりました。 皆辛かったのに、誰も弱音を吐かなかった、その最高のご褒美だと思って拝みました。山に登ると、人間のちっぽけさがわかります。でも、人間は目標と仲間があれば、いろんなことを乗り越えて、その山のてっぺんに立てるんだと思いました。16年前に登ってから今日まで、富士山での経験は、私の自信となり支えとなってくれました。そしてこれからは、スタッフ達の支えにもなることでしょう。この夏は、富士山への言い尽くせない感謝とともに、忘れられない思い出になりました。
スタッフたちが登山日記集を作りました。 ご興味のある方はぜひスタッフの声のページをご覧いただくか、また画廊までお問合わせくださいませ。
2006年8月
シルクランド画廊 顧 定珍