厳しかった寒さも折り返し、そろそろ春の兆しを探したい頃です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
2月、シルクランド画廊はお蔭様で開廊18周年を迎えました。毎年この時期に周年のご挨拶をお送りしております。この一年は私どもも初めて経験することが多く、こうしてお便りできることに特別な感慨があります。
さまざまな形で励ましてくださった皆様、お一人お一人に御礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。万全の対策をとってはいても気軽に来廊をご案内しかねる時期が続き、私どもにとっては、展示スタイルを見直す大きな機会でした。
そこで6月、YouTubeにチャンネルを開設し、オンラインで作品をご覧いただけるサイトを作りました。手始めに「絵画の取り付け方」、また各展覧会に合わせて、先生方の制作風景、インタビューと作品を15分ほどの映像にまとめ、10本余りの動画にして公開しております。
絵筆を画面に走らせるアトリエでの様子は映像でなければ見られないものですし、これまでギャラリー通信に掲載してきた作家インタビュー記事にも増して生の声をお届け出来たことは、多くの反響へと繋がりました。
「作家の制作哲学を聞くうちに、作品の受けとめ方に厚みが加わった」「作家の素顔に触れて、もっと作品を見たくなった」といったご感想を、アートが持つ豊かさをインターネット越しに改めてお伝えできたかな、と嬉しく伺いました。
健康のありがたさを特に感じるご時世で、元気なご様子を知らせてくださるお客様、チーム一丸となって画廊を支えるスタッフの存在、あらためて有難く感じています。信頼し合える人間関係があってこそ、どんな状況にあっても不安を乗り越えて一歩一歩進んでいけるものです。YouTubeという新しい試みも、心のつながりを実感できたことも、大きな収穫でした。
新型コロナが収束するまでは、制約下の開廊記念展になりますが、ご無理のない範囲でお出かけください。皆様にまたお目にかかれるときを楽しみにしております。
令和3年2月
シルクランド画廊 顧 定珍