この2月、お蔭様でシルクランド画廊は開廊6周年を迎えます。恒例となったサロン展をこうしてご案内できますのも、ひとえに皆様から長くご愛顧いただいた賜物と、ここにあらためて厚く御礼申し上げます。
私事ながら、2009年は自宅の転居と共に幕を開けました。7年余りを過ごしてすっかり馴染んだ部屋も、絵を外し無表情に なった壁や荷物を詰め込んだ段ボール箱と向き合うと、懐かしさどころか、言葉では表現できないような淋しさ、空しさを感じました。新居に着いたら、何より 先に絵を飾りました。
お金をこつこつ貯めて求めた一枚一枚の絵に、自分の思い入れが詰まっていて、いつの間にか心のよりどころになっていました。 引越を手伝ってくれた姪とふたりで、好きな絵に囲まれて暮らせることのありがたみをしみじみ感じさせられました。新聞やテレビでは、社会情勢の厳しさが毎日報じられていますが、懸命に頑張る時代にこそ、心を潤す芸術が必要とされるのだ と思います。私自身も、勉強とアルバイトに明け暮れた留学生時代、北澤美術館で出会ったドーム、ガレ作品の美しさに渇ききった心が癒され、画商を志すきっ かけにもなったのです。
芸術品には、癒しだけではなく、新しい道が開けるエネルギーが詰まっていると言ってもいいのではないでしょうか。
これからは、今まで取扱いの中国出身作家の最新の動きを紹介すると同時に新進気鋭の日本人の作家たちも紹介する予定です。
またこの作家のこういう作品がほしい…などのご要望があれば、私どもが代わりにお探しいたします。皆様の暮らしにより彩りを添えるお手伝いをぜひ私どもにさせていただけますようよろしくお願い申し上げます。
厳しい寒さがまだまだ続きます。風邪など召しませぬよう、くれぐれもご自愛くださいませ。お目にかかれる日を楽しみにしております。
2009年2月
シルクランド画廊 顧 定珍