この2月、シルクランド画廊はおかげさまで7周年を迎えます。
作品を送り出してくださる先生方、感動を分かち合えるお客様方へ感謝するとともに、大好きな絵に携わっていられる幸せをかみしめております。
作品を扱ううちに、惚れこんで自分で買ってしまうこともしばしばです。
自宅の仕事部屋には闘牛をテーマにした作品を2点飾っています。 ひとつは、闘牛士が勝利を決め、華々しいフィナーレを迎えた場面。ちょっとした壁にぶつかっても「私もゴールに向かって頑張ろう!」という気分になりま す。もう1枚は、戦いに敗れ、命尽きる寸前の牛を描いたもの。その痛々しい姿に、丑歳生まれの私自身を重ね「弱い心を捨てて、新しく生まれ変わろう」と自 分に言い聞かせたりします。
弱気になったり、落ち込んだりしたときは、対照的なこの2枚の絵を交互に眺めます。そうすると、自分の理想像が、私自身の弱さや欠点を凌駕してゆくようなイメージが膨らんできて、胸にポッと希望が灯るような気がするのです。
空気のように意識にとめない時間もありますが、私に勇気と希望を与えてくれる貴重な存在のひとつです。
「change」、「改革」、「大きく変わる年」といった言葉が聞かれる昨今ですが、「美」は不変です。時には、人を励まし、支えにもなりうると思います。
シルクランド画廊も、これまでと変わらない存在でありつづけ、さらなる改革をし、皆様に感動をお届けしたいと思います。
今後ともご高配を賜りますようお願い申し上げます。
2010年2月
シルクランド画廊 顧 定珍